エアコンのカビで病気になる!恐ろしい症状と気を付けるべきポイント

エアコンのカビで病気になる-恐ろしい症状と-気を付けるべきポイント 暮らし

近年の夏の気温は、温暖化により上昇傾向でエアコンは必須アイテムとなりましたよね。

必須アイテムだからこそ、気になるのがエアコンのカビ。

エアコン内部はなかなか確認しにくいだけに、どれほど汚れているのか分からないものです。

しかし、エアコン内部にカビが発生しているとその胞子を吸い込み病気になるというのはよく聞く話で、不安になりますよね。

結論から言うと、エアコンのカビを吸い込むことによって病気になる可能性は十分あります。

むしろ、気付いていないだけで、すでにカビに感染していることもあるのです。

その恐ろしい症状と気を付けるべきポイント、対処法を紹介します。

この記事を読めば、エアコンのカビによる病気の発症と重症化を防ぐことができます。

エアコンのカビで病気になるは本当だった!

エアコンのカビで病気になるは本当だった!

カビの種類は、なんと8万種類以上あると言われています。

カビにそんなに種類があるなんて、驚きですよね。

8万種類以上あるカビの中でも、エアコン内部に繁殖しやすい代表的なカビは、6種類ほどあるんです。

  • トリコスポロン(酵母カビ)
  • アスペルギルス・フミガーツス(コウジカビ)
  • クラドスポリウム(黒カビ)
  • アルテルニア(ススカビ)
  • ペニシリウム(青カビ)
  • フザリウム(赤カビ)

それぞれに異なった特性があるので紹介しますね。

トリコスポロン(酵母カビ)

アレルギー性の肺炎「夏型過敏性肺臓炎」の原因のカビと言われています。

トリコスポロンは、日当たりや風通しが悪い高温多湿な古い木材を好みます。

古い家屋に多く見られる白っぽい色をしたカビで、エアコン内部はもちろんキッチンや浴室などの水回り、カーペットや畳の裏などで繁殖します。

胞子はとても小さく、エアコンの風で部屋中を浮遊して鼻や口から吸い込まれ、その胞子の小ささから簡単に肺に侵入してしまうのです。

夏型過敏性肺炎を発症すると、カビを吸い込むたびに症状が繰り返され、不調が数ヶ月間続いたり、年を隔てて再発したりします。

アスペルギルス・フミガーツス(コウジカビ)

アスペルギルス・フミガーツスは、アスペルギルス属というカビに分類されています。

  • アレルギー性気管支肺アスペルギルス症
  • 侵襲性アスペルギルス症

これらの病気を引き起こす原因で、別名「殺人カビ」とも言われている恐ろしいカビです。

しかし、土の中や空気中など自然界に広く存在していて私たちの身近な真菌の一種でもあり、通常は人に対してなかなか病気の原因にならない菌なんです。

それでも、免疫力が低下している場合や、肺に空洞性の病変がある場合には、胞子を吸い込むと感染症を引き起こし、肺や気管支に異常をきたす恐れがあります。

クラドスポリウム(黒カビ)

クラドスポリウムは、喘息やアレルギーの原因になると言われるカビの1種です。

浮遊するカビの中で最も多いのがこの黒カビで、エアコンにも発生しやすいカビです。

ファンや吹き出し口に付着して黒く固まるため、目にしたことがある方も多いと思います。

エアコンの他にも、湿気がこもりやすくジメジメする場所、水を頻繁に使う水回りなどでよく発生します。

ほこりなどの汚れを栄養源とするため、日ごろから汚れを溜めないようにするのが大切ですね。

アルテルニア(ススカビ)

アルテルニアはアレルギー性鼻炎や喘息、骨髄炎や癌の原因にもなると言われています。

黒いスス状のカビは胞子がとても軽く、そのため空気中に飛散しやすく、浮遊時間も長いという特徴があります。

胞子のサイズは大きいため鼻腔内にとどまりやすく、アレルゲンになりやすい菌です。

植物病原菌としても知られており、換気が悪くジメジメした環境で繁殖します。

ペニシリウム(青カビ)

ペニシリウムは乾燥に強く、肝臓がんや肝硬変などを引き起こす原因になると言われています。

餅やパン、チーズなどの食品に発生しやすく、日常生活に馴染みのあるカビです。

フザリウム(赤カビ)

赤カビは、ピンク色や薄むらさき色、赤色など、様々な色で繁殖します。

根を張るカビではないので、ブラシでこするとすぐに除去できます。

しかし、放置する期間が長くなると赤カビを栄養に黒カビが発生し、除去が簡単にはいかなくなるので注意が必要です。

エアコンのカビによる病気の症状とは?

エアコンのカビによる病気の症状とは?

エアコンのカビによる病気は、死に至る可能性もある恐ろしいものです。

どんな症状が見られるのか、詳しく説明していきますね。

  • のどの痛み
  • 声枯れ
  • 鼻水、鼻づまり
  • 蓄膿症
  • 慢性鼻炎
  • 慢性喉頭炎
  • 慢性扁桃腺炎
  • 慢性気管支炎
  • 耳鳴り
  • 耳のつまり感
  • 微熱

症状を見て分かるとおり、風邪の症状とかなり似ているため、風邪だと思い込んでいる場合が多いようです。

もし上の症状が頻繁に繰り返したり、ジメジメと湿気が多い日に調子が悪くなる場合には、カビ感染症が疑われます。

カビ感染症は、抗生剤の使用は菌交代症(病原菌を抑制してくれる良い菌まで失う)を誘発してしまい、カビ感染症を悪化させるので注意が必要です。

そして、エアコンにカビが生えている状態で使用し続けてカビ感染症が進行していくと、喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー、肺炎などの病気を引き起こします。

喘息

アレルギーによって気管支に炎症が続く病気が喘息です。

  • ゼーゼーヒューヒューと音がなる呼吸
  • 息苦しさ

などの症状があります。

群馬大学医学部教授によると、喘息は鼻をつまんで細いストローで呼吸をしている状態にあるそうです。

喘息の経験がなくても、想像するだけで息苦しいですよね。

酸素を十分に取り込めず低酸素状態になるので、中枢神経がダメージを受けます。

中枢神経がダメージを受けたまま放置していると、命の危険の可能性があります。

重度じゃない喘息発作での死亡例もあり、中等度や軽度の喘息でも命の危険があることが分かりますね。

子どもが発症するイメージが強いですが、大人や高齢の方の発症も珍しくありません。
もし、症状に心当たりがある場合は、必ず受診してくださいね。

夏型過敏性肺炎

トリコスポロンというカビを吸い込むことで肺がアレルギー反応を起こし、夏型過敏性肺炎を発症します。

夏型過敏性肺炎には急性型と慢性型の2種類あり、患者の割合は女性が男性の約2倍の割合で多くなっています。

男性よりも女性の方が、掃除をする機会や在宅時間が長いことが多く、カビが発生していれば吸い込む時間が長いのが理由です。

  • しつこい咳
  • 息切れ
  • 微熱
  • 倦怠感

などの症状で、風邪とよく似た症状です。

旅行や入院などで長期で家を留守にすると、原因となるトリコスポロンが浮遊している家から離れるので症状が軽くなり、帰宅すると再発します。

また、秋になるとトリコスポロンが増殖しなくなるので、症状も自然に消滅するのが特徴です。

風邪によく似た症状で、秋になると症状が消滅することから、長い夏風邪と思い込み受診せずに放置されることが多くあるのです。

しかし、毎年症状が出現して5年ほど経過すると、肺の組織が硬くなって縮んでしまう「肺線維症」へ移行することがあります。

肺線維症に進行すると、カビが発生していない場所でも慢性的に咳や息切れを起こし、治療を行っても元のきれいな肺に戻りません。

そのため、夏になると毎年風邪をひくなどの気になる症状があれば、必ず受診してくださいね。

アレルギー性鼻炎

アレルギー性鼻炎の症状は、

  • 鼻水
  • 鼻づまり
  • くしゃみ

などで、目のかゆみや充血、皮膚のかゆみなど鼻以外の部位に症状が出ることも珍しくありません。

微熱の症状が出る場合もあり、人によってさまざまな症状が現れます。

鼻風邪と間違えることが多いアレルギー性鼻炎ですが、症状の様子や発症期間が異なります。

アレルギー性鼻炎の症状は、風邪よりも長期間にわたって続き、モーニングアタックと呼ばれる朝方に症状が強く出やすいのも特徴です。

アスペルギルス症

アスペルギルスは、発酵食品によく使われるコウジカビの一種であり、ほとんどの場合は無害です。

しかし、免疫力が低下している人がフミガーツスなどの一部の種類を吸い込み肺に感染すると、肺の細胞を破壊しながら進行していき、感染力も強力です。

  • 湿った咳
  • ゼーゼーヒューヒューと音がなる呼吸
  • 胸痛

などの症状が現れ、肺の病気だけでなく副鼻腔炎や外耳道炎を起こしたり、進行すると血痰が出たり、呼吸不全によって命に関わる場合もあります。

カビが原因で毎年約1,000人が死亡し、その半分がアスペルギルスが原因と言われている恐ろしいカビです。

COPD(慢性閉塞性肺疾患)や結核などの病気が進行していたり、喫煙や加齢で抵抗力が低下していたりすると発症、重症化しやすくなります。

高齢化が進み、加齢や免疫力が低下している人が増えており、アスペルギルスによる病気を発症する人が増加しています。

しかし、治療法が確立されているため、早めの治療を行えばほとんどの場合治る病気です。

エアコンのカビによる病気は咳がでたら要注意

エアコンのカビによる病気は咳がでたら要注意

なんだか毎年夏風邪をひいている気がするけど、夏風邪は治りにくいって言うし、しばらくは我慢して様子見しよう!

それ、本当に夏風邪ですか?

思い出してみてほしいのが、咳が出始めたのはエアコンを使用するようになってからではないですか?

咳だけで他の症状がないからと言って様子を見ているうちに、悪化することがあるため注意が必要です。

咳喘息や気管支喘息がある人は重症化のリスク有

乾いた咳が長い期間続く場合には、咳喘息の疑いがあります。

エアコンを使用する季節が始まると咳喘息での受診が増え始め、その大半がエアコンのカビが原因での咳喘息と言われているんです。

咳喘息が長く続いて悪化すると、夜になると症状が悪化する傾向にあります。

眠れないほどひどい咳がでたり、ようやく眠れても咳き込んで目が覚めたりして寝不足が続くことも。

そして、咳喘息がさらに重症化すると、より症状が重い気管支喘息に悪化します。

気管支喘息は、呼吸困難を引き起こすほど激しい咳き込みの発作が起きる、恐ろしい病気です。

乾いた咳が長い期間続いているのを軽く見て咳喘息を放置していると、いずれ気管支喘息に移行して命が危険にさらされるのです。

また、もともと気管支喘息の持病がある場合には、エアコンのカビが原因でさらに重症化するリスクがあるため、注意が必要ですよ。

風邪の咳とエアコンのカビによる咳の症状の見分け方

咳が長引いていても、風邪による咳かエアコンによる咳喘息かは医療機関で検査を受けないと確定できず、個人での見分け方はありません。

個人での見分け方はありませんが、エアコンのカビが原因の咳の特徴を知ることで早い段階で適切な診断と治療を受けられ、重症化を防ぐことができるんです。

  • 咳や痰の症状だけが2週間以上続く
  • エアコンを作動させると咳が出始める
  • 家族が感染することなく特定の人だけが咳をする

これらがエアコンのカビによる咳の主な特徴です。詳しく説明していきますね。

<咳や痰の症状だけが2週間以上続く>

エアコンを使用する時期に咳や痰が2週間以上続き、他に症状が現れない場合にはエアコンのカビが原因の可能性が非常に高いです。

ここで受診せずにしつこい風邪だと思い込み放置すると、喘息やアレルギー症状、肺炎などに悪化することがあります。

咳や痰が2週間以上続いている場合は症状がひどくなる前に、受診することで早期回復と重症化の回避が期待できますよ。

<エアコンを作動させると咳が出始める>

エアコンを作動させると咳が出始めるのは、ほぼ間違いなくエアコンのカビによる咳だと考えられます。

長時間家を留守にすると咳の原因のカビから離れて咳が落ち着くのが特徴で、カビ以外にもエアコンの風による乾燥や、気温や湿度の変化で咳が出始めます。

そのままエアコンを使用している限り、咳の症状が回復することはないため早めに対策するのが大切ですよ。

<家族が感染することなく自分だけが咳をする>

咳の原因がエアコンのカビだった場合には、咳をするのは自分だけのことが多いです。

しかし、風邪のようにウイルスや細菌による咳だとしたら、一緒に暮らす家族にうつって自分以外の家族も咳をする可能性はかなり高いのです。

しばらくたっても家族の誰にもうつらず、あなただけががいつまでも治らない場合は、エアコンに原因があると考えられます。

エアコンのカビの対処法を紹介

エアコンのカビの対処法を紹介

咳の原因がエアコンのカビによるものだとしたら、同じエアコンを使い続ける限り改善することはないでしょう。

かと言って、すぐに買い換えられるならいいのですが、なかなかそういうわけにもいかないですよね。

そんな時は、今から紹介する簡単な方法をぜひ試してみてください。

エアコンの内部を掃除する

エアコン本体の周りや、フィルターの掃除をするのは主流ですよね。

エアコンはフィルターをお手入れする家庭は多いようですが、その内部まではなかなか掃除することが少ないのではないでしょうか。

ホコリが多い環境やキッチンに近い場所でエアコンを使っていると、ホコリや油汚れなどでエアコン内部はかなり汚れています。

古いエアコンであれば、汚れが蓄積しカビにとって好条件の住みやすい環境となり、どんどん繁殖するでしょう。

自分でエアコン内部の掃除をするのは高い場所での作業となるうえ、分解や養生などなかなかな大仕事となります。

エアコンクリーニングの専門業者に依頼するなどして、清潔に使えるようにしてみてください。

エアコンを消す前に10分間送風運転する

冷房運転の後に送風運転を10分間することで、カビの繁殖をかなり抑えられます。

グラスに冷えた飲み物を入れると結露して水滴が付くように、エアコン内部も冷房運転によって結露して水滴が付きます。

結露をそのままにしてエアコンをOFFにすると、エアコン内部の湿度が一気に上がりカビが発生して繁殖してしまうのです。

しかし、冷房運転の後に10分ほど送風運転をすることによって、エアコン内部の換気となり乾燥させるため、結露を防ぎカビが発生しにくくなります。

マスクをする

エアコン運転時にマスクをすることで、カビやホコリを直接吸い込むことが軽減されて咳の症状も少しだけでも軽減されるでしょう。

喉の湿度を保ち、口内や鼻の粘膜、気道を刺激や乾燥から守ることもできます。

しかし、1日中家の中でもマスクをするのは息苦しかったり肌荒れの原因になったりします。

根本的な解決にもならないため、応急処置としてマスクをしてくださいね。

まとめ

まとめ
  • カビは8万種類以上あり、エアコン内部に繁殖しやすい代表的なカビは6種類ほどでそれぞれ違う病気を発症する
  • エアコンのカビを放置してカビ感染症が進行していくと、喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー、肺炎などの病気を引き起こし、死に至ることもある
  • 咳だけの症状でしつこい夏風邪だと様子見しているうちに悪化することがあるため、2週間症状が続くようなら受診した方がいい
  • 咳の原因がエアコンのカビによるものでもすぐに買い換えられない場合は、エアコン内部の掃除や、エアコン内部の結露を防ぐとカビの繁殖を抑えられる

エアコンのカビによる病気は、最悪の場合命を落とすこともある恐ろしい病気だということが分かりましたね。

しかし、意識してエアコンのカビを防ぐことで、病気の発症や重症化を避けられます。

暑い夏でも快適にエアコンを使用して、熱中症には十分気を付けてくださいね。

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